SSブログ

恋衣(こいごろも) とはずがたり [(読書)その他]


奥山 景布子
Amazonランキング:410771位
Amazonおすすめ度:


西園寺実兼の娘、露子は母の素性を明らかにできない為、
生まれてすぐに橘久永夫婦に預けられ何不自由なく育てられる。
しかし、夫に愛人がある事を知った時から鬱々とした気持ちに悩まされていた。
夫が亡くなってもその気持ちに悩まされる露子。
そんな折、実兼から実母の書いた草子を手渡され、
和歌集に詠草できそうな歌を書き出すよう頼まれる。
その草子は母の日記であった。
日記に記されていたのは後深草院の寵愛を受けながらも、
様々な男性と契りを交わす事になる母二条。
年月が過ぎ、二条は院の寵を失い遊行の尼になるのです。
日記を手にした事によって、父と母の関係や自分が久永夫婦に預けられた経緯を知る露子。
複雑な気持ちに揺れ動きながらも、日記に引き込まれてしまいます。

露子自身は宮使えをする事なく、婿をとり平穏な日々をすごしていました。
ところがある時、夫に愛人がいる事、その女との間に娘が生まれた事を知りショックを受けます。
しかし、騒ぎたてる事はできず、夫の死後も鬱々とした気持ちを抱える事になります。
そんな露子も二条が愛欲から解き放たれて行く様を見ている内に、
すべてを受け入れられなくても、悩み生きた母の事を分かってあげたいと考えるようになります。
そして、夫の死後、母親をも亡くした幼い娘を引き取る決心をするのです。
読んでいて、昔も今も女とは生き難い世をたくましく渡って行くものなのだと感じました。
それと同時にこの時代の女性は哀れです。
二条にしても、決して好きで浮名を流した訳ではありません。
そうするしか、生きる術を持たないのですから。
遊行の尼になり、華やかな生活から一変した生活になりますが、
御所にいた時よりも輝いているように思えます。
元になっている『とはずがたり』は読んだ事がありませんが、
機会があれば訳本を読んでみたいと思います。

 

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

死神の精度携帯漫画にはまる ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。