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恋衣(こいごろも) とはずがたり [(読書)その他]


奥山 景布子
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西園寺実兼の娘、露子は母の素性を明らかにできない為、
生まれてすぐに橘久永夫婦に預けられ何不自由なく育てられる。
しかし、夫に愛人がある事を知った時から鬱々とした気持ちに悩まされていた。
夫が亡くなってもその気持ちに悩まされる露子。
そんな折、実兼から実母の書いた草子を手渡され、
和歌集に詠草できそうな歌を書き出すよう頼まれる。
その草子は母の日記であった。
日記に記されていたのは後深草院の寵愛を受けながらも、
様々な男性と契りを交わす事になる母二条。
年月が過ぎ、二条は院の寵を失い遊行の尼になるのです。
日記を手にした事によって、父と母の関係や自分が久永夫婦に預けられた経緯を知る露子。
複雑な気持ちに揺れ動きながらも、日記に引き込まれてしまいます。

露子自身は宮使えをする事なく、婿をとり平穏な日々をすごしていました。
ところがある時、夫に愛人がいる事、その女との間に娘が生まれた事を知りショックを受けます。
しかし、騒ぎたてる事はできず、夫の死後も鬱々とした気持ちを抱える事になります。
そんな露子も二条が愛欲から解き放たれて行く様を見ている内に、
すべてを受け入れられなくても、悩み生きた母の事を分かってあげたいと考えるようになります。
そして、夫の死後、母親をも亡くした幼い娘を引き取る決心をするのです。
読んでいて、昔も今も女とは生き難い世をたくましく渡って行くものなのだと感じました。
それと同時にこの時代の女性は哀れです。
二条にしても、決して好きで浮名を流した訳ではありません。
そうするしか、生きる術を持たないのですから。
遊行の尼になり、華やかな生活から一変した生活になりますが、
御所にいた時よりも輝いているように思えます。
元になっている『とはずがたり』は読んだ事がありませんが、
機会があれば訳本を読んでみたいと思います。

 

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訃報 [(読書)その他]

引用


2009年5月27日 17時00分

 ファンショック“世界最長”アレは…

エキサイトニュースより

栗本薫さん死去

栗本薫さん  SF、ミステリー、時代小説、評論など多彩な分野で活躍した作家の栗本薫(くりもと・かおる、評論家名は中島梓=なかじま・あずさ)さんが26日午後7時18分、膵臓がんのため、東京都品川区の病院で死去したが、栗本さんは早大文学部を卒業し、1977年に評論「文学の輪郭」で群像新人文学賞を受賞しデビュー。翌年、テレビ局内での殺人事件を描いた「ぼくらの時代」が江戸川乱歩賞を受賞し脚光を浴びた。  79年に始まったSF大河小説「グイン・サーガ」は120巻を超えて執筆を続け、「世界最長の小説」(版元の早川書房)という。主な作品に「魔界水滸伝」「絃の聖域」や「伊集院大介」シリーズなどがある。  栗本薫、中島梓の2つの名前を使い分け、80年代にはテレビ朝日系のクイズ番組「象印クイズ ヒントでピント」にも女性陣のキャプテンとしてレギュラー出演し、お茶の間でもおなじみの存在だった。音楽好きでバンド活動を行い、ミュージカルの脚本、演出も手掛け、多彩な才能を発揮した。邦楽など伝統文化に詳しく、日常的に着物を愛用したことでも知られる。  90年に乳がん、2007年末に膵臓がんの手術を受け、自宅療養を続けていた。病床でも執筆を続け、08年夏には闘病記「ガン病棟のピーターラビット」を刊行した。その後、肝臓への転移が見つかり、闘病しながら執筆活動を続けていた。病状が悪化する中、ホームページでは「からだのきくうちにやりたいことをすべてやっておきたい、と切実に思っています」など心情を吐露した。  “世界最長”の金字塔を打ち立てた「グイン・サーガ」は今年で刊行開始から30年に。巻数は126に達し、すでに今年刊行分の原稿は書き終えていたが、4月下旬には「小説をなんとかしなくては」とつづり、もどかしさも見せていた。

■栗本薫さんの主な作品

1977年  「文学の輪郭」
78年  「ぼくらの時代」
79年~ 〈グイン・サーガ〉シリーズ
真夜中の天使〉シリーズ
80年~ 〈伊集院大介〉シリーズ
81~93年 「魔界水滸伝(全20巻)」
91年  「コミュニケーション不全症候群」
91~95年 「終わりのないラブソング(全8巻)
92年  「アマゾネスのように」
「シンデレラ症候群」 2008年
「ガン病棟のピーターラビット


ともかくビックリしました。

知ったのは妹からのメール。

ネットで記事を見ても、信じられませんでした。

確か、数年前に乳がんだった事があり、その時にも「グインだけは書き上げたい」と言ってらした記憶があります。

そちらは完治されたと記憶していましたし、最近はお元気なのだとばかり思っていました。

グインはこれだけ長い作品ですから、私も30巻前で足踏み状態になって久しいのですが、

本屋さんに積んであると、どうにも気になって立ち読みをしていました。

つい、1週間ほど前も『黒衣の女王』を立ち読みしてました。

今にして思うと、表紙のリンダで良いんですよね?の喪服姿に感じるところがありました。

若い頃、たくさん作品を読ませて頂いた作家さんで色々な思い出があります。

昨日は妹と電話で懐かしい作品やグインのキャラの話で盛り上がりました。

私達なりの栗本さんへのはなむけです。

グインが完結しなかったのは残念ですが、ご冥福をお祈り致します。

 


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5月に読んだ本、観たDVD(記録) [(読書)その他]

後半、数冊読んでいるのですが、なかなか感想等をUPできません。

防備禄として記載しておく事にします。

我らが隣人の犯罪 (文春文庫)

表題作を含む5編からなる短編集。表題作の以外な顛末が面白かったです。

「サボテンの花」という作品が収録されているのですが、最後まで子供達の意図が見えてこない。

でも、理由が分かると暖かい気持ちになる作品です。

容疑者Xの献身

ガリレオシリーズ初の長編ですが、シリーズ中一番好きな作品かもしれないですね。

数学だけが生きがいだった男性が隣に引っ越してきた薄幸の母と娘を守る為に仕組んだトリック。

なんの見返りも求めなかった彼の一途さにいつしかエールを送ってしまう。

ラストの彼の咆哮にやるせなさを感じます。

蛇行する川のほとり (中公文庫 お 70-1)

恩田さんらしい作品で、過去の事件がそれぞれの人物によって2転3転するんですよね。

そして真実を乗り越えた少年少女達の変化に貴重な季節の終わり未来への期待感が残るのが魅力です。

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オリヲン座からの招待状

オリヲン座からの招待状

  • 出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
  • メディア: DVD

昭和30年先代の映画館。館主松蔵が亡くなり、

弟子の留吉と松蔵の妻トヨが二人で映画館を守って行く事になる、

しかし二人の間を中傷する噂が立ち、客足が遠のいていく。

おりから、時代も映画からTVへと移り、映画産業は斜陽になり始めていた。

二人は貧乏をしながらも懸命に映画館を守り続ける。

しかし、トヨの余命が短い事を知り、留吉はオリヲン座を閉館する決心をする。

彼はゆかりの人々にオリヲン座最後の日の招待状を送るのだった。

留吉とトヨの静かな愛に心揺さぶられました。

それに昭和30年代の日本の風景がノスタルジーをかもし出しているのが懐かしくてよかったです。

トヨ(宮沢りえ)が捻挫をして動けない時に留吉が蛍をとってくるのですが

二人が蛍を眺めるシーンは幻想的で好きなシーンです。

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次は・・。 [(読書)その他]

やっと図書館戦争シリーズを読み終えた私です。
次は宮部みゆきさんの「魔術はささやく」 泉流星さんの「エイリアンの地球ライフ」を読む予定です。
でも、もう次の図書館予約の本が来ているという連絡が入っていて、実はあせっていたりします。
ぜんぜんこない時と一気にくる時の差が激しすぎるのですよね・・・。
今年は1年を通してのライフワークとして「御宿かわせみ」シリーズを読もうと思ってます。
これも長く続いているシリーズですし、何度もドラマ化されているので、
所々知っていたり、軽く読んだ事もあるのですが、
代も変わって明治時代に突入したという事を知り、
時間を見つけてゆるゆると読めたら良いなあと思って読み始めました。
現在は文庫の5巻目を読み終わった所です。
すべて短編の読みきりなので、気軽に手に取れるのも良いと思います。

魔術はささやく 新装版 (Miyuki Miyabe Early Collection)

魔術はささやく 新装版 (Miyuki Miyabe Early Collection)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2008/01
  • メディア: 単行本





エイリアンの地球ライフ―おとなの高機能自閉症/アスペルガー症候群

エイリアンの地球ライフ―おとなの高機能自閉症/アスペルガー症候群

  • 作者: 泉 流星
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2008/01
  • メディア: 単行本



新・御宿かわせみ

新・御宿かわせみ

  • 作者: 平岩 弓枝
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2008/01
  • メディア: 単行本



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暇がなく1 [(読書)その他]

最近、ぜんぜん更新する気力がなくて

なかなか読んだ本の感想もUPできません。

今日は時間があるし、涼しいしで久しぶりに一気に更新していますが

そろそろスタミナ切れです。

とりあえず、最近読んだ本のタイトルだけはUPしておきますので

よかったらコメ下さい。では

空の中

空の中

  • 作者: 有川 浩
  • 出版社/メーカー: メディアワークス
  • 発売日: 2004/10/30
  • メディア: 単行本

そのごデューク達は平和に暮らしているのでしょうか?

アンフェアな月-----刑事 雪平夏見

アンフェアな月-----刑事 雪平夏見

  • 作者: 秦 建日子
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2006/09/26
  • メディア: 単行本

相変わらず、夏見さんはかっこいいです。

小説では安藤が生きているのも良いなあ。

天を支える者 4 (4)

とりあえず、第一部なのかな?は完結してくれたようなので安心しました。

「天を支える者  古戀唄」のシリーズも期待できそうですね。

 

 


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SweetBlueAge [(読書)その他]

Sweet Blue Age

Sweet Blue Age

  • 作者: 有川 浩, 角田 光代, 坂木 司, 桜庭 一樹, 日向 蓬, 森見 登美彦, 三羽 省吾
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/02/21
  • メディア: 単行本
<あらすじ>

『あの八月の』夜の大学に忍び込む『クジラの彼』究極の遠距離恋愛って?『涙の匂い』あわいあわい初恋の日々『ニート・ニート・ニート』出口のみえない日々のはてに―― 『ホテルジューシー』もてあます自由とほどけない心『辻斬りのように』5月のある朝、彼女の中で蠢きだしたものは?『夜は短し歩けよ乙女』底無しの酒量とちいさな勇気を抱いて…… 内容(「BOOK」データベースより)できたてのセカイと、憂鬱なわたしたちの物語。いま、最も鮮烈な7人の書き手がおくる青春文学ベスト・トラック集。


私の場合は好きな作品と読むのがしんどい作品と分かれてしまいました。ノスタルジーを感じて好ましく思った作品としては「あの八月の」学校の部室を思い出してしまいました。ただ、残念なことに私達が卒業すると同時に新校舎が出来て古い校舎は取り潰されているんですね。卓球ができるくらいの大きな机があって、友人達とよく遊んだ事を思い出しました。「涙の匂い」も田舎の匂い?と「卒業写真」のワンフレーズが頭をよぎりました。ほろ苦い青春。私もある人物を思い出しました。(主人にはないしょ(笑))「ホテルジューシー」こういう宿で長逗留してみたいな。 この本を手にとって角田光代さんの作品ってやっぱり好きだなと思ったんです。話題作もたくさんあるのに、なぜかこの手の短編集でばかり読んでいる。そろそろ、纏めて読みたくなりました。図書館に予約入れなくちゃ!
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